ゴルジコックス染色法(golgi-cox staining)

準備するもの
二クロム酸カリウム
塩化水銀
クロム酸カリウム
ショ糖
アンモニア水(市販品でOK 使用時に水で20%に希釈)
ガラスバイアル瓶
メディウム瓶
キシレン
クロロホルム
エタノール

染色液の作成
蒸留水で
5%二クロム酸カリウム水溶液(100ml蒸留水に5グラム)
5%塩化水銀水溶液(100ml蒸留水に5グラム)
5%クロム酸カリウム水溶液(80ml蒸留水に4グラム)
それぞれ作成。量はサンプル数に依存しますが、各々100mlも作れば十分かもしれません。溶けにくいものもありますので、根気よく溶解してください。クロムや水銀ですのでドラフト内でトレイを敷いて安全を確保しながら行います。

溶かした5%二クロム酸カリウム水溶液100mlと5%塩化水銀水溶液100mlを混合します。
溶かした5%クロム酸カリウム水溶液に200ml蒸留水を加えさらに希釈します。
上記の液体を混合し、400mlの染色液(オレンジ色)を作ります。1週間ほど寝かせてから使用します。

サンプルの作成
(1)深く麻酔され意識を失ったマウスを断頭し、脳標品を回収します。還流固定をしなくても問題ありませんが、脳表の血液は生理食塩水などですすいでおくと良いでしょう。バイアル瓶にサンプルを入れ、ゴルジ液を静かに注ぎます。2日後にいったんゴルジ液を交換し、その後2週間寝かせます。
(2)ゴルジ液を捨てて、ショ糖溶液(10mM PBまたは蒸留水でショ糖濃度が30%になるように)に交換します。2日寝かせます。
(3)ビブラトームで100オm切片(厚すぎると封入が難しくなります)を作成します。薄切切片は、筆を用いて水を満たしたチューブに移します。
チューブの容量は切片の枚数によりますが、我々は1個体10枚程度なので、15mlのチューブを使っています。

神経細胞の発色
(1)チューブの蒸留水を除き、アンモニア水をいれて遮光し30(必要なら60分)反応する。水銀とアンモニアが反応して組織内に黒色沈殿を生じます。
(2)蒸留水で数回洗浄します。
(3)蒸留水を除きアルコールを注ぎます(50、70、80、90,100,100%と濃度を上げて脱水)。
(4)クロロホルム、キシレン、エタノールを等量混合した液体に置換。
(5)筆などで切片をシランなどのコーティング済みスライドガラスにのせ、即座にキシレン系封入剤を数滴たらしカバーガラスをかける。


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不明な点や、文中の誤記があれば御連絡ください。

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写真はgolgi-cox染色によるマウスの海馬顆粒細胞。