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Morning in Zürich on 3rd Feb 2022
地球に寄り添うバイオインフォマティクス

今日の活発な人間活動は自然界の持続可能性を脅かしており、正確な現状把握と適切な対策が急務となっています。 一方、膨大なデータを通じて、私たち人類はこれまでになく正確に、世界を「見る」ことができるようになりました。

当研究室では、生命科学領域における大量データから知識抽出を行い、遺伝子レベルから個体集団レベルまでの多階層なアプローチによって、個体として、あるいは集団としての生命システムを解き明かし、生物資源の適切な管理活用へと展開します。

  1. 基盤テーマ(システムゲノム科学)
    複雑なシステムはより単純な要素の組み合わせで構成されています。生命システムにおいても、数万種類の遺伝子が精巧に組み合わさることで細胞システムができ、また、異なる種類の細胞が組み合わさることで、組織、器官、個体のシステムができています。 ACGTの4種類の文字で構成されるゲノムは、ある生物種を構成する多階層システムが符号化されたものです。これを正しく読み解くことでシステムの特性や弱点がわかります。 特に遺伝子発現データ(トランスクリプトームデータ)は、遺伝子と細胞の関係を反映する基盤的な情報資源であり、ここから遺伝子共発現というアプローチで情報抽出を行ない、データベースとして活用できるようにしています。
    • ATTED-II:Coexpression database for plants
    • COXPRESdb:Coexpression database for animals
    • ALCOdb:Coexpression database for microalgae
  2. 応用テーマ
    基盤テーマで開発した技術やリソースを活用し、社会的課題の解決を目指します。
    バイオエネルギー生産のためのゲノムと環境の最適化
    光合成は光エネルギーを用いて二酸化炭素を固定する反応であり、再生可能エネルギーの一つとして大きく着目されています。本研究では微細藻類の脂質代謝系の強化と培養効率化を通じて、微細藻類によるバイオエネルギー生産を行います。本研究は東京工業大学の太田啓之教授、ならびに株式会社ファイトリピッド・テクノロジーズとの共同研究です。
    資源管理
    島国である日本では、古くから多くの水産資源を活用してきました。近年、水産資源は世界的に需要が増加しており、漁業の持続性がこれまでになく重要になっています。鮭の放流で有名な栽培漁業は、孵化・育成・放流を人工的に行うことで水産資源を強化する方法であり、日本の沿岸漁業を大きく支えるだけでなく、世界40カ国で実施されています。一方、自然界に放流した個体が、そのまま漁獲されるだけなのか、さらに繁殖に寄与をしているのかについてはよく分かっていません。本研究では、放流個体と自然個体の間の血縁関係を推定することで、漁業資源の動態の解明を行います。本研究は東北大学大学院農学研究科の池田実教授との共同研究です。
    人類活動が引き起こす生物進化
    人類活動なさまざまなレベルで生態系に大きな影響を与えています。近年のゲノム解析技術の進展による集団遺伝学的な解析から、さまざまな生物が各地域における人類活動と共存しやすい形質が強化されている現象(自己家畜化)が確認されるようになってきました。 他方、人類は地域と地域のモノや情報を結ぶ交易を古くから行なっており、これも生息域の拡大や撹乱の一因となっています。地球レベルでの交易と生物進化を扱うには、各地域の交易の歴史が鍵になりますが、世界の多くの社会は無文字社会であるため、ブラックボックスとなっている地域が多くあります。本研究では単語の通言語的な類似性から、その言葉の地理的起源を推定するアプローチで、各地域の天然資源がどのように伝播し利用されてきたかを解明します。本研究は静岡県立大学の長野明子教授との共同研究です。
Selected Publications
Presentations in 2022
Members
教授 (Prof.) 大林 武 Takeshi Obayashi Pure RM GS
助教 (Asst. Prof.) 内田 克哉 Katsuya Uchida Pure RM web
技術補佐員 (Tech. Asst.) 火原 日美子 Himiko Hibara
Access
情報科学研究科棟

〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-3-09 東北大学 大学院情報科学研究科 情報生物学分野

研究室は情報科学研究科棟2階にあります。


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