東北大学大学院情報科学研究科 情報生物学分野のキービジュアル

OBAYASHI LAB.

What's New

  • 2024.10.4 DICP交流会とトーゴーの日シンポジウム2024にて、大林武教授と技術補佐員の北村茜さんが発表しました。
  • 2024.10.1 新しい研究室メンバーが加わりました。
  • 2024.9.25 令和6年度日本水産学会秋季大会にて、邊見匠馬さん(M1)が発表しました。
  • 2024.9.12 日本動物学会第95回長崎大会にて、内田克哉助教が発表しました。

地球に寄り添うバイオインフォマティクス

今日の活発な人間活動は自然界の持続可能性を脅かしており、正確な現状把握と適切な対策が急務となっています。一方、膨大なデータを通じて、私たち人類はこれまでになく正確に、世界を「見る」ことができるようになりました。

当研究室では、生命科学領域における大量データから知識抽出を行い、遺伝子レベルから個体集団レベルまでの多階層なアプローチによって、個体として、あるいは集団としての生命システムを解き明かし、生物資源の適切な管理活用へと展開します。

女川湾でのサンプル採取
遺伝子のイメージ
研究の様子
demo

基盤テーマ

システムゲノム科学

複雑なシステムはより単純な要素の組み合わせで構成されています。生命システムにおいても、数万種類の遺伝子が精巧に組み合わさることで細胞システムができ、また、異なる種類の細胞が組み合わさることで、組織、器官、個体のシステムができています。 ACGTの4種類の文字で構成されるゲノムは、ある生物種を構成する多階層システムが符号化されたものです。これを正しく読み解くことでシステムの特性や弱点がわかります。 特に遺伝子発現データ(トランスクリプトームデータ)は、遺伝子と細胞の関係を反映する基盤的な情報資源であり、ここから遺伝子共発現というアプローチで情報抽出を行ない、データベースとして活用できるようにしています。

基盤テーマ

変動海洋エコシステム科学

地球の表面の約70%を占める海は、微生物からクジラに至るまで多様な生物が生息する複雑な生態系です。私たちは、この海から直接的および間接的に多大な恩恵を受けており、海洋環境の理解と管理は極めて重要な課題となっています。 2024年に発足した世界トップレベルの研究拠点プログラムである変動海洋エコシステム高等研究所(WPI-AIMEC)は、国際的かつ学際的な研究チームを通じて、地球システムの変動に対する海洋生態系の応答と適応メカニズムを探求することをミッションとしています。 特に、同機構の大林ユニットと女川フィールドセンターは、物理化学データの解析やロングリードに基づくプランクトンゲノム解析などを通じて、女川湾の生物動態を統合的に解明します。さらに、女川湾をモデルケースとして、三陸沿岸の海洋動態の解明を目指し、ひいては地球規模での環境保全に貢献することを目的としています。

女川湾の写真

応用テーマ

基盤テーマで開発した技術やリソースを活用し、社会的課題の解決を目指します

バイオエネルギー生産のための
ゲノムと環境の最適化

光合成は光エネルギーを用いて二酸化炭素を固定する反応であり、再生可能エネルギーの一つとして大きく着目されています。本研究では微細藻類の脂質代謝系の強化と培養効率化を通じて、微細藻類によるバイオエネルギー生産を行います。本研究は東京工業大学の太田啓之教授、ならびに株式会社ファイトリピッド・テクノロジーズとの共同研究です。

資源管理

島国である日本では、古くから多くの水産資源を活用してきました。近年、水産資源は世界的に需要が増加しており、漁業の持続性がこれまでになく重要になっています。鮭の放流で有名な栽培漁業は、孵化・育成・放流を人工的に行うことで水産資源を強化する方法であり、日本の沿岸漁業を大きく支えるだけでなく、世界40カ国で実施されています。一方、自然界に放流した個体が、そのまま漁獲されるだけなのか、さらに繁殖に寄与をしているのかについてはよく分かっていません。本研究では、放流個体と自然個体の間の血縁関係を推定することで、漁業資源の動態の解明を行います。本研究は東北大学大学院農学研究科の池田実教授との共同研究です。

人類活動が引き起こす生物進化

人類活動なさまざまなレベルで生態系に大きな影響を与えています。近年のゲノム解析技術の進展による集団遺伝学的な解析から、さまざまな生物が各地域における人類活動と共存しやすい形質が強化されている現象(自己家畜化)が確認されるようになってきました。 他方、人類は地域と地域の間に移動することが容易になり、海洋生物や陸生動物が広範囲にわたり移動することもあるため、生物の進化の仕方が異なる場合があります。 これに関連し、我々は、結核菌や赤痢菌など、人間を寄主とする微生物の遺伝的な変化を解析し、その動態と感染経路を解明し、新しい治療法の開発や感染症の拡大を防ぐための新しい戦略を検討しています。

Members

大林 武教授 TAKESHI
OBAYASHI
  • 教授 (Prof.)

    Takeshi OBAYASHI

  • 助教 (Asst. Prof.)

    Katsuya UCHIDA

  • ポスドク研究員 (Postdoc. Res.)

    Batdulam BATTULGA

  • 技術補佐員 (Tech. Asst.)

    Akane KITAMURA

  • 秘書 (Secretary)

    Aiko NAGATA

  • M1

    Shoma HEMMI

  • M1

    Daffa APRILIO

  • M1

    Jaronchai DILOKKALAYAKUL

  • B4

    Namuunbayar GANCHIMEG

変動海洋エコシステム高等研究所 沿岸生態系サービス研究ユニット

  • 大林 武

    情報科学研究科 教授(ユニットリーダー)

  • 池田 実

    農学研究科・女川フィールドセンター 教授

  • 藤井 豊展

    農学研究科・女川フィールドセンター 准教授

  • 浜端 朋子

    情報科学研究科 助教

  • 北村 茜

    AIMEC 技術補佐員

  • Batdulam BATTULGA

    AIMEC ポスドク研究員

  • Xuneng TONG

    AIMEC研究員

大林 武教授 TAKESHI
OBAYASHI

Recruitment

大林研究室では、一緒にデータ科学を推進するメンバーを募集中です!
ご興味のある方は、大林までお気軽にお問い合わせください。

特任研究員
情報科学もしくは生物学の博士を有する研究者が対象です。
技術補佐員
プログラミング技術を習得しながらプロジェクトの補佐を行ないます。現在のスキルより継続して学習する力を重視しています。 [JREC-IN]
大学院生 (修士課程‧博士課程)
情報科学を背景とする学生さんのほか、ゲノム生物学、生態学、海洋生物学などの分野を学んできた学生さんも広く募集しています。

Access

〒980-8579仙台市青葉区荒巻字青葉6-3-09
東北大学 大学院情報科学研究科
情報生物学分野

※研究室は情報科学研究科棟2階にあります。

東北大学外観